- 2017/10/09 更新
マッサージしちゃダメ?
Athliv. sports massage Directorの室賀です。
選手や患者さまからよく「腫れているところはマッサージしちゃダメなんですよね?」
と聞かれます。
おおむねその通りで、怪我などで炎症が起きている場所にゴリゴリとマッサージをするのは
かえって状態を悪化させてしまう時もあります。
(ただし、炎症も体にとって決して悪い反応ではなく体が良くなっていくための手順であったりもするので、
一般に認識されがちな「炎症=悪」でもないです)
しかし先に申しておりますように炎症している患部にゴリゴリとマッサージをすることが
良いものであるとは私も考えてはいません。
ただ、腫れているように見えるような状況全てがマッサージなどの施術をしてはいけないかというとそうではありません。
捻挫や打撲など1回の外力により生じる怪我を「外傷」と言いますが、
このような外傷の発生から数日の状態を「急性外傷」と言い、
この期間に患部
に直接的に強い刺激での施術を行うことが好ましいとは考えておりません。
そして繰り返しの負荷により徐々に損傷していった状態を「障害」といい、
それを繰り返している状態を「慢性障害」と言います。
また、外傷から一定期間経過した状態で患部の炎症が落ち着いている状態
これらの時期にも一見腫れているように見える状態もありますが、
これは浮腫み(むくみ)に近い状態と言え、
この状態であれば患部への施術は十分に可能となります。
この急性外傷による腫れと、
一定期間経過した状態の浮腫の見分けは患部が熱を持っているかどうかが見分けのポイントになるのですが、
一般の方には見分けは難しいかと思います。
また、よくぎっくり腰や首の寝違えでマッサージをしてはいけないという話を耳にしますが
これも一概に施術してはいけない状態であるとは考えていません。
施術の仕方は考えていかなければならないのですが、
施術の可否を見分けるポイントの熱感があるかというとほとんどのケースでは熱感を伴っていないからです。
施術にあたってマッサージや鍼などを受けていいかどうかわからないような際は
お気軽にお電話などでご相談いただければと思います。
写真はランニングによる繰り返しの負担で膝の内側が痛む鵞足炎の施術例
浮腫が発生しておりましたが、
スポーツマッサージ・鍼・オイルマッサージの組み合わせにより
膝のお皿の骨(膝蓋骨)周りの浮腫が改善し、
痛みは軽減、関節可動域も改善しました。
アメリカでの研究では浮腫が痛みの誘発をしているとされ、
浮腫を改善していくことは痛みを解消していく上でも、
関節可動域を改善していく上でも非常に重要なポイントとなります。